埼玉医科大学国際医療センター病理診断科

病理医募集中

病理診断科概要

全国有数の癌施設で新境地開拓に臨む

診療部長/教授
安田 政実

 当センターは2007年春に癌・心血管疾患の治療および救急を担う病院としてオープンし、既に10年目を迎えています。初期の頃は400床ほどが稼動していましたが、マンパワーの増員・充実、ハードの進化ともに現在は700床がほぼ100%に近い状態で運営されています。癌治療の観点からは―癌患者登録数が物語っているように―当センターは全国的に有数の癌診療施設の仲間入りを果たしています。心血管疾患についても同様に最先端の医療技術をもつ機関の一つとされています。さらに救急面では、地域医療の砦として、名実ともに発展を遂げてきました。

 このような状況下、病理診断科が扱う検体は10,000件強ですが、手術検体が優勢なために、ブロック数からみると大学病院レベルの平均個数(1検体あたり)を大きく上回っています。現在、我々は専門医6名・臨床フェロー1名・大学院生1名と、非常勤医4名でこれらの業務にあたっています。日々、病理医にとっての課題である診断の確実性・迅速性の維持・向上に対峙しつつ、新たな診断体制を模索しています。

先進医療からジェネラルな疾患までを網羅できる体制

教育主任/教授
新井 栄一

 病理診断は、全患者に遺伝子検索を含む高度で高額な検査をなすことが不可能である現時点において、通常の保険診療の枠組みでは、『最終診断』として最も重要かつ最大の役割を担っています。

 病変の組織や細胞を肉眼的かつ顕微鏡で観察して診断するのが病理診断です。病理診断業務には次の3つがあります。外科病理診断(生検組織診断、手術で摘出された臓器・組織の診断、手術中の迅速診断、細胞診断、病理解剖(剖検)です。埼玉医科大学国際医療センターは、分子生物学や分子遺伝学解析のスタッフの充実をはかっており、診断の精度を上げています。

 当センターでは、がん、心臓病、脳卒中に対する高度専門医療と先進医療を提供することを前面に打ち出していますが、病理診断科は、埼玉医科大学病院とスタッフの兼担をし、ジェネラルな疾患の診断も網羅できる体制を整えてあります。また、種々の疾患の外科病理検体、細胞診検体の典型例、希少例を蓄積している特別な保管庫を有しており、十分研修することができます。

 私個人の診断領域および研究について述べますと、ルーチンでは全科の材料の診断を行っていますが、皮膚病理を専門領域としています。その診断レベルは高いと自負でき、国立がんセンターと日本病理学会の皮膚部門のコンサルタントに指定されています。このコンサルト業務以外にも全国から寄せられる難解な症例に対処しています。

 埼玉医科大学国際医療センター・病理診断科では、全臓器の研修が可能で、私の専門である皮膚に関しては、悪性腫瘍(有棘細胞癌、基底細胞癌、付属器腫瘍、悪性黒色腫、悪性リンパ腫など)を含む全ての領域で、豊富な症例に基づく、研究が可能です。

豊富ながん症例で十分な研修体制

研究主任/教授
長谷部 孝裕

 病理診断科は、埼玉医科大学国際医療センター(日高キャンパス)の包括的がんセンターに含まれる診療科です。日高キャンパスでは、豊富ながん症例の診療・治療が行われています。2012年の院内がん登録では、乳癌(496例)、胃癌(459例)、肺(425例)、前立腺(379例)、結腸癌(372例)が、上位5位を占めており、次いで、直腸癌、食道癌、脳腫瘍、子宮頸癌、膵癌等が続きます。また、日高キャンパスには心臓病センター、脳卒中センターも併設されており、心疾患、非腫瘍性脳疾患などの生検・手術材料も豊富です。がん疾患だけでなく、心疾患・非腫瘍性脳疾患の診断も十分経験することができます。また、埼玉医科大学病院も近接しており、非腫瘍性の腎疾患、肝疾患、および自己免疫性疾患などの診断も、十分研修することができます。

 次に研究についてですが、私の研究は、癌の組織形態像を詳細に観察し、どの様な組織形態像が癌の悪性度を評価する上で有用なのか、明らかとすることです。今までに、乳癌、胆管癌、大腸癌、膵癌の組織像を詳細に検討し、癌間質の組織形態像が、癌の増殖・伸展に極めて重要な役割を担うことを明らかとしました。乳癌では、癌間質であるFibrotic focus (FF:癌内線維化巣)の有用性を明示し、FFはWHO, AFIPにも、重要な癌間質組織形態像として掲載されました。また、リンパ管・静脈内の腫瘍細胞(腫瘍塞栓)、並びにリンパ節転移腫瘍の組織形態像が極めて重要な癌悪性度の指標となることも解明しました。今後は、明らかとした組織形態像と、癌の増殖・転移と密接に関係する蛋白・遺伝子等との関連性を検討し、病理診断学の向上に寄与していきたいと考えています。

 診断病理学並びに人体病理学に基づく研究に興味のある方は、私たちと一緒に診療・研究に励みましょう。

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